東京電力福島第1原発事故の収束作業に従事していた40代の男性作業員が、白血病になったことについて、労働基準監督署が「放射線の影響とがん発症の因果関係がないとはいえない」として労災認定したというニュースがありました。男性の福島原発での被ばく量は15.7ミリシーベルトで、その他の原発を含めた累積被曝は1年6カ月間で計19.8ミリシーベルトだったとのことです。

 

 これは結構大きなニュースです。

 しかし間違えてはいけないのは、医学的に被爆と発症の因果関係が証明されたという訳ではないということです。

 実際のところ、白血病になったときに、医学的に被爆との因果関係を断定することは不可能だと思います。しかし労災を認定・不認定と回答を出すためには、どこかで基準を作るしかない。そこで1976年に労働基準局長通達として出された、白血病の労災認定基準というものがあります。

(1)相当量の被ばく(五ミリシーベルト×従事年数)

(2)被ばく開始後少なくとも一年を超える期間を経ての発病

(3)骨髄性白血病またはリンパ性白血病であること

 

 このいずれの条件にも当てはまるので、因果関係がある可能性が高いと判断して、認定が出たものと思われます。

 相当量の被爆があったら必ず発症するという訳ではないと思うので、今後も同様の事例が出てくるかはわかりません。でも可能性は十分あるかもしれませんね…。

 

 

札幌の社労士(社会保険労務士)のブログ

 

 

 

 


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