厚生労働大臣は、先日、労働政策審議会に対して「労働安全衛生法の一部を改正する法律案要綱」について諮問を行いました。

 

改正案は下記の5つです。

1. 化学物質管理のあり方の見直し

 一定の危険性・有害性が確認されている化学物質を取り扱う場合に、危険性または有害性などの調査(リスクアセスメント)を行うことを事業者に義務付ける。

2. メンタルヘルス対策の充実・強化

・労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師・保健師による検査の実施を事業者に義務付ける。

・事業者は、検査結果を通知された労働者の申出に応じて医師による面接指導を実施し、その結果、医師の意見を聴いた上で、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮など、適切な就業上の措置を講じなければならない。

3. 受動喫煙防止対策の推進

 受動喫煙防止のため、全面禁煙・空間分煙その他の厚生労働省令で定める措置を講ずることを事業者の努力義務とする。

・受動喫煙防止対策に取り組む事業者に対し、国が必要な援助を行う。

4. 重大な労働災害を繰り返す企業への対応

 企業単位での改善計画を作成し、改善を図るべきことを厚生労働大臣が指示する仕組みを創設。計画作成などの指示に従わない企業に対しては、大臣が勧告し、勧告にも従わない場合は、企業名を公表することができる。

5. 外国に立地する検査機関等への対応

 ボイラーなど特に危険性が高い機械の製造などを行う場合に受けなければならないこととされている検査や検定を行う機関として、外国に立地する機関であっても登録を受けられることとする。

6.規制・届出の見直し

・建設物または機械などの新設などを行う場合に事前の計画の届出を求めている第88条第1項を廃止するなど、規制・届出を見直す。

・特に粉じん濃度が高くなる作業に従事する際に使用が義務付けられている電動ファン付き呼吸用保護具を、型式検定・譲渡制限の対象に追加。

 

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 「3」の受動喫煙対策では、民主党政権のときに「禁煙・分煙を義務化!」と打ち出して話題になりましたが、結局義務でなく「努力義務」になってますね。企業の経済活動の自由を優先する自民党政権らしい落としどころと言えるでしょう。

 「2」のメンタルヘルス対策が最も注目されるところでしょう。従業員のメンタルヘルスの検査を事業者に義務付けるという内容です。恐らく法定健康診断項目の中に入れて、年に一度は受診しなければならないという内容になるのでしょうか? 健康診断費用も少し上がりそうですね。

 そして従業員から申し出があったら、医師による面接指導を実施し、医師の意見を聞いて配置転換や勤務時間の短縮をしなければならない(義務)という内容になっています。

 メンタルヘルスに悩む労働者は増加の一途を辿っており企業にとっては重荷な内容になっていますね。

 何より、メンタルヘルス不調者を出さないための労務管理が求められます。

 

 


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