北海道労働局は27日、道内の保育所の一部、220施設を調査した結果、181施設で時間外労働など計331件の法令違反が見つかり、是正勧告したと発表した。労働局は保育所を認可する道や札幌市などの自治体や、認可保育所でつくる北海道保育協議会に労働環境の改善に取り組むよう要請した。

 労働局によると、331件の内訳は、労使協定を結んだと届け出ることなく時間外労働を行わせた法定労働時間に関する違反が133件と最多。労働条件を明らかにしていない労働契約を結んだケース(71件)や、時間外労働の割増賃金を払っていないケース(36件)などが続いた。 (新聞記事より)

 

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他の記事によると、調査の仕方としては、

①「労働条件自主点検チェックリスト」を道内全保育所に配布

  ↓

②回答が無かった約13%の保育所を中心に、抜き打ちで立ち入り調査

 

 保育所に限らず、労働条件自主点検表がたまに企業に送られてきますが、軽くは扱えないですね。

 最近、ある企業に送られてきた労働条件自主点検表のチェック項目を下に挙げておきますので、企業の方は自社に問題点が無いか確認してみてください。

 

1.労働条件の明示

 労働者を雇い入れる際に、労働時間、賃金等の労働条件を明示していますか?

2.時間外労働・休日労働に関する協定届

 法定労働時間を超える時間外労働、法定休日における休日労働を行わせる場合に、労使協定を締結し、労働基準監督署に届け出ていますか?

3.割増賃金

 法定労働時間を超える時間外労働、法定休日における休日労働、深夜(22時から翌朝5時)労働に対して、どのような割増賃金を支払っていますか?

4.就業規則

 労働者が10人以上いる事業場は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出ていますか?

5.労働時間の把握

 始業・終業の時刻を把握し、記録していますか?

6.最低賃金

 最低賃金額(時間額734円、産業別は別途)以上の賃金を支払っていますか?

7.健康診断

 雇入時及びその後1年に1回定期に健康診断を行っていますか?

 

 意外と抜けているのが、保育所調査のトップでもある「2.時間外労働・休日労働に関する協定届」です。これはどちらかというと、悪意があって違反しているというより、知らなかったという事業所が多いのではないでしょうか。しかし、残業というのは当たり前に発生するものではなく、本来労使で話し合って限度時間を設けた上で例外的に認められるものだというのが労基法の趣旨であるのと、長時間残業抑制のためにはそういう認識を労使共に持ってもらわなければいけないとの考えから、労基署としては非常にこの項目を重視しています。

 労基署対策はもちろんのこと、近年増加している労使トラブルの観点からも、労務管理がしっかりされていない会社は、従業員と争いになったときに不利な立場に立たされます。残業をめぐる争いは常に労使紛争の上位案件です。

 

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