レストランチェーン「サイゼリヤ」の店員だった女性が自殺したのは、上司によるセクハラなどが原因として、遺族が21日、約9800万円の損害賠償を求め提訴しました。訴状によると、女性は2013年4月にアルバイトとして働き始め、男性副店長から体を触られるなどのセクハラに加え、罵倒や無視といったパワハラを繰り返し受ける。昨年12月、副店長に「一緒に死のう」と言われ、翌日に自宅で1人で首をつって自殺したとのことです。
 

 自殺に追い込まれるほどのセクハラって余程だったのでしょう。表に出ていないだけで、もしかしたらリベンジポルノを示唆されたり家族に危害を加えるなどの脅迫だったり、会社を辞めたくても辞められない犯罪まがいのことをされていたのかもしれない。

 それでも、何とか逃げられなかったのか…という悲しい気持ちを感じてしまいました。

 

 この件は詳細がわからないのでこれ以上のことは言えませんが、もし犯罪級のセクハラやパワハラを受け、しかも上司や社長に訴えても改善されない場合は、法的手続きを取るどうこうより、とりあえず逃げた方が(会社を辞めた方が)いいと思います。

 

 逃げることに躊躇する人は多いですよね。辞めたらお金に困るから、という生活上の問題の他に、逃げることはかっこ悪いという意識もあるような気がします。

 その気持ちは少しわかります。自分も会社員だったときにパワハラを受けたことがありますから。なんというか、自分が情けないというか恥ずかしいというか、逃げることでより自尊心が傷つけられるような思いになりますよね。自分が自分であるためには頑張って居た方がいいんじゃないかとか、もうちょっと頑張れるんじゃないかとか…。

 

 でもよく考えて頂きたい。会社の上の方にまで言って改善されないなら、その会社はもうどうやっても変わらないんです。もちろん安全配慮義務違反です。慰謝料等を求めることは出来るでしょう。それでも変わらないと思いますよ。そういう会社には見切りをつけなきゃいけない。関わってるのは時間の無駄だと。

 

 「逃げる」という言葉を使うので情けない気持ちになるのかもしれないですね。会社を「見捨てる」と表現すればどうでしょう。「逃げる」んじゃなく、「見捨てる」んです。

 

 言葉の響きが人に与える影響は大きいですから。マスメディアなどでも、犯罪級のセクハラは「性犯罪」、犯罪級のパワハラは「脅迫、暴行」などと呼ぶべきでしょう。そういう風潮になることで、少しは抑止になってくれればいいなと思います。

 

 

札幌の社労士(社会保険労務士)のブログ

 

 


[top]

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。