日本経済団体連合会が、「2019年労働時間等実態調査」の集計結果を発表しました。
http://www.keidanren.or.jp/policy/2019/076.pdf
「パート労働者を除く期間を定めずに雇用されている労働者」、いわゆる正社員を対象とした労働時間や休暇の取得状況に関する調査です。
これによると、年間の総労働時間は2018年で1998時間となり、2016年の2008時間から3年連続で減少傾向にあることがわかりました。
法定労働時間である「週40時間」いっぱいに働くとすると、年間で2085時間程度になるので、法定労働時間よりだいぶ少なめに働いていることになります。
従業員数別に見ても、大企業が労働時間が少ないのはわかりますが、300人未満の企業も2012時間と、3年前の2045時間に比べ年々減少してきていることがわかります。
また「経常利益が増えている企業の年間平均労働時間」は、「調査全体」の数字に比べ多いものの、この3年間でほぼ横ばいの数字になっています。
経常利益が増えつつも労働時間が横ばいということは、一人当たり労働者の「労働生産性」が向上している証と言えると思います。
また「人手不足感がある」と回答した企業の年間平均総労働時間が、この3年間で逆に減ってきていることもわかります。
人手不足感があるなら労働者一人の労働時間が増えそうですが、逆に減っているということは、やはり労働生産性が上がってきている証拠と言えそうです。
(時間外労働の数字も減ってきています)
必ずしも人手不足だから長時間労働をさせている訳でもなく、各社様々な工夫をして生産性向上に取り組んでいることが数字としても表れています。
経団連所属企業なので、比較的規模の大きな企業が回答しているとはいえ、中小企業もその生産性向上の取組みには大いに参考になるところがあると思います。