6月5日に労働施策総合推進法が改正され、パワーハラスメント対策が事業主の義務として法制化されました。

(長野労働局HPへリンク)

https://jsite.mhlw.go.jp/nagano-roudoukyoku/content/contents/harassment_leaflet010611.pdf

職場におけるパワハラ防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となります。

(適切な措置を講じていない場合には是正指導の対策となります)

パワハラの「定義」や、講ずべき措置の具体的な内容は今後指針で示されるとのことですが、現時点で一例として「事業主によるパワハラ防止の社内方針の明確化と周知・啓発」「苦情などに対する相談体制の整備」「被害を受けた労働者へのケアや再発防止」等が示されています。

既にセクハラ対策は法制化されていますが、これと同じような対策が求められるのだろうと思われます。

また、パワハラに関する紛争が起きた場合に、調停など個別紛争解決援助の申出を行うことができるようになります。既にあっせんという個別紛争解決手続にパワハラ紛争は多く使われているところですが、慰謝料などの金銭の請求だけでなく、職場の改善要求などより柔軟な利用が出来るようになるということでしょう。

大企業は来年4月から、中小企業はその2年後から施行される見込みです。

 

パワハラの法制化については、「パワハラ」というものの定義があいまい(指導・注意との線引きがしにくい)こともあり、法制化に慎重な意見も多かったですが、ついに法制化となりました。

正直、現場を見ている我々からすると、まったく同じ指導の仕方をしても、Aさんは「はっきり指摘してくれて有難い」と捉え、Bさんは「言い方がきつ過ぎる。パワハラだ」と感じる。指導というのはそんな世界なので、具体的なパワハラの線引きを言葉にするのは非常に難しいと思います。

ただこれも時代の流れ。上司という立場の人は、全ての部下に同じ指導の仕方をするのではなく、タイプを見極めその人に合った育て方をする。今後はそんなスキルが求められるのだろうと思います。