26日に厚労省が、勤務間インターバル制度を導入した中小企業に助成金を支給する方針を明らかにしました。

 勤務間インターバル制度とは、労働時間の上限だけでなく、勤務終了から翌日の勤務開始までの間に「○時間空けること」という条件を法制化しようというものです。

 何時間空けるかはこれから調整するとのことですが、EUや既に導入している大企業の例にならって「11時間」とする案が有力だと思われます。

 これまでに法制化する案も何度か出ていましたが、経営者側の反対でなかなか先に進まないため、先に助成金としてリリースし、徐々に慣れさせて行こうという狙いだと思われます。

 

 法制化に先立って助成金をリリースするというのはよくあることで、導入企業を増やしていって既成事実化し、世間の抵抗をやわらげようというのが狙いにあります。

 

 もちろん安倍政権がこれだけをやろうとしている訳ではありません。今までに何度か出ては消えを繰り返している「残業代ゼロ法案」が本当の狙いであり、インターバル制度はセットで法制化することで「アメ」の役割を期待しているのではないかと予想されます。

 

 なお報道によると、この助成金は既存の「職場意識改善助成金」の新コースとして設け、制度の就業規則への導入や社員への研修、周知徹底などの取組みを対象とし、目標が達成されれば制度導入にあたりかかった経費の4分の3(上限50万円)を補助する方針とのこと。よって元々インターバルが11時間無かったような企業が、11時間以上に達成したら助成という中身になるのかなと思います。

 

 36協定の上限設定、解雇の金銭解決など現政権がやろうとしている労働法制改正案は多く、「働き方改革」を重要な政策の柱に掲げていることから、今後も政権の動きに注目する必要があります。


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