今日は試用期間について取り上げます。

 

試用期間とは、採用後に勤務態度を含め従業員の適性を評価し、「本採用するか否か」を判断するものです。

試用期間を設けている会社は多く、一般的には3ヶ月で設けている所が多いようです。

 

試用期間中はあくまで「仮」採用だとして、社会保険や雇用保険に入れないケースも見られますが、試用期間中でも条件を満たしたら加入となります。

 

また試用期間中に「本採用出来ないな」と判断した場合に、すぐ辞めさせられるかというとそうでもなく、採用後14日を経過したら、普通の社員と同じく「解雇予告」もしくは予告手当の支払いをしないと辞めさせることは出来ません。

 

では何のための試用期間なのかと思われてしまいますが、一つには辞めさせられることに対して従業員が争ってきた場合に、「解雇の有効性」が通りやすいのが試用期間です。

当社の従業員として不適格だと判断した場合に、本採用してしまった後に比べれば、やはりあくまで試用期間(お試し雇用期間)なので、会社の主張の方が認められやすいということです(どんな主張でも認められる訳ではもちろんありませんが…。合理性は必要です)。

 

試用期間中の解雇の有効性を高める方法としては、次の2つがあります。

1.就業規則においても雇用契約書においても、あくまでも「仮」採用の状態であることを強調する

先ほど述べたように社会保険や解雇予告の点では意味がないのですが、解雇の争いになったときにはここが重要になります。ただ「試用期間」としか書いてない就業規則等も多いですが、試用期間をクリアするまでは本採用ではないんですよと強調し、本人の同意も得ておくことで、解雇されることに対しての納得性も得られ、仮に争いになったときにも第三者に「仮の状態だったことを労働者もわかっていただろう」と思ってもらえます。

2.試用期間でなく契約期間とする

3ヶ月なら3ヶ月の「有期雇用契約」を結ぶということです。これにより、試用期間終了時点で辞めてもらう場合は「解雇」でなく「契約期間満了」となります。

 

いずれも訴訟リスクを減らす方法ですが、近年の売り手市場ではあまり本採用までのハードルを上げ過ぎると求職者が来ないという問題もあります。

また有期契約からスタートすると、助成金が該当にならないケースもあります。

 

会社のリスクとのバランスやあらゆるメリット・デメリットを考慮し、どんな試用期間の形が良いか考えられると良いと思います。