社会保険や雇用保険の電子申請の届出は、これまでは「電子申請書」を取得しなければ出来ず、事業所にとってはハードルの高い手続でした。

来年4月からは、IDとパスワードを使って出来るようになり、少し便利になります。

https://www.mhlw.go.jp/content/000561645.pdf

1.「GビズID」のホームページから申請書を作成・ダウンロード

2.申請書と印鑑証明書を「GビズID運用センター」に送付

3.約2週間の審査の後、承認されるとメールが送付される

4.メールに記載されたURLをクリックし、パスワードを設定するとアカウントが取得

アカウント取得まではこんな流れだそうです。

 

実際に社会保険や雇用保険の申請をする際には、日本年金機構が提供する「届書作成プログラム」や電子申請に対応する労務管理ソフトを使って「申請データ」の作成を行う必要があるのは、従来どおりです。

一般の事業所、特に小規模企業がお金をかけて労務管理ソフトを入れるのは現実的ではないので、「届書作成プログラム」を使うことが多くなると思いますが、この届書作成プログラムの使い勝手が普及の一つのカギになるでしょうね。正直、現在の届書プログラムは使いづらいですから…。

いずれにしても一昔前のようにハローワークに行って書類を出したりすることはほとんど無くなり、事業所の事務作業はこれから大きく効率化していけそうです。

社労士の仕事としても、社会保険や雇用保険の手続代行という仕事が占める割合は下がっていくかもしれません。

それでも、そんなに大きくは減らないんじゃないかというのが私の考えです。

たしかに「事務をアウトソーシングして経費を節減したい」という目的での委託は減るでしょうが、これだけ頻繁に法改正があり、今後もどんどん変わっていくことが見込まれる中、「間違いのない正確な事務処理をしたい」というニーズはむしろ高まっていくだろうと思うからです。

法律がめまぐるしく変わり過ぎて、中小企業が「情報」をリアルタイムでちゃんと把握できていないのが現実です。

そのため誤った事務手続をして従業員とトラブルになったり、ブラックだと思われて従業員が定着しなかったりし、それが新規の採用にも悪い影響を及ぼすという悪循環になっています。

この採用難の中、特に人が採れない中小企業は、取った従業員を辞めさせないためには「きちんと正確な労務管理」が絶対必要です。

そのためには、常に最新の情報を提供できて、ちゃんと企業を守ってくれる社労士顧問が必要なのは言うまでもありません。

社労士へのコストと、優秀な従業員を流出させてしまうコストを天秤にかけて経営判断出来る経営者がこれから生き残っていくと思いますし、弊所もそういう経営者の「人の問題」をしっかりと守っていきたいと思います。

と同時に、弊所の売りである「攻め」の業務、従業員の戦力化についてもどんどん提案していきたいと思います。

本年最後のブログになるかもしれないので、最後はまとめ的な感じで書かせて頂きました。