損保ジャパン日本興亜が従業員全体の15%にあたる4000人を削減する方針であることが今日の報道でわかりました。
ITを活用して業務の効率化を図るため。新規採用数の抑制と定年退職者等の自然減で削減を進めるとのことです。
今は人手不足でどこも採用が難しい状況。他社との求人合戦に勝つには賃金を上げなければならない。
他方で最低賃金もどんどん上がり、政府が最低賃金の1000円への引上げを目指している方針なのは昨日のブログで書いたとおり。
(立憲民主党は更に踏み込んで1300円を目指すことを参院選の公約にしましたね…)
人件費だけがガンガン上がり、それに見合った利益が出ていなければ、どこかで「調整」をかけなければ会社が潰れるのは当たり前。
真っ先に「調整候補」に上がるのは「事務職」ですね。
事務はそれ自体が収益を上げる部門ではないので、どれだけ効率化を図って人件費を下げられるかに企業は知恵を絞る訳です。
損保ジャパンさんの仕事は営業と事務が多いと思うので(同じ人が1日の中で両方やるケースも多いと思う)、そのうち事務にかける時間を極限まで減らそうということでしょう。
企業がIT化を進めて事務職の人をどんどん減らす。
一方で職を探してる人の中では事務職が大人気な訳です。
完全なミスマッチが起きてるんですね。
今は仕事さえ選ばなければいくらでも就職出来る時代ですが、選ぼうとするから就職出来ない人が必ず出てくる。
失業率が完全に「ゼロ」にはならない理由はここにある訳です。
これは求職者の問題になる訳ですが、自分がやりたいと思ってる仕事が、本当に企業がやって欲しいと思ってる仕事なのか。
「いい仕事がない、いい仕事がない」と言ってる人を見ますが、そもそも求職者に対してのニーズが無い仕事を探そうとしていないか。
「やりたい仕事」というのは「求められてる仕事」との掛け算でしか「お金をもらえる仕事」にならないのです。
自分がやりたいと思う仕事が、企業から、というか世の中から求められてる仕事なのか、という視点で考えてみると良いかもしれませんね。