ここ数年、助成金で最もよく使われてきたと言われる「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」が、今年4月から大幅に要件が厳格化されることがわかりました。
新たに追加された要件とは、正規雇用等へ転換した際、「転換前6ヶ月と転換後6ヶ月の賃金を比較し、5%以上増額していること」というものです。
これまでは、例えば契約社員を正社員に転換した場合、雇用期間の定めが有期から無期になること以外の労働条件が変わっていなくても申請出来たのですが、賃金増という要件が加わることで使いにくくなり、申請数が大きく減ることが予想されます。
※賃金増とは、基本給と諸手当の合計。ただし通勤手当や残業手当、固定残業手当、歩合給等は含まない。また賞与は就業規則などに支給時期・支給対象者が明記されている場合のみ含めるとのことで、「支給することがある」程度の表記では含められないものと思われます。
その他、「有期契約からの転換の場合は、対象者が転換前に事業主に雇用されていた期間が3年以下に限ること」という要件も加わります。
かつてブームと言えるほど使われた「人材育成コース」が一昨年から厳格化されほとんど使われなくなったのに続き、「正社員化コース」も改悪されたことで、ここ数年の助成金市場を牽引してきたキャリアアップ助成金は大きな曲がり角を迎え、助成金冬の時代を象徴していると言えます。
中小企業にとって助成金は慈雨となるものでしたが、これからは本当に当てには出来ず、本業の稼ぎのみで事業を継続していくことを考えなければならないでしょう。
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