事務所代表 熊谷綜合労務事務所  代表 熊谷知直

熊谷綜合労務事務所 代表 特定社会保険労務士 熊谷 知直

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札幌の社会保険労務士事務所 熊谷綜合労務事務所のブログ

社員が辞めない職場とは?

カテゴリ: 職場環境    投稿日:2018.03.27

 「社員がすぐ辞めてしまう」「社員が定着するにはどうしたらいいか」というご相談をよく受けます。

 社員が辞めたくないと思える職場とはどういうものか? それを考えるには「マズローの5段階欲求」が参考になります。

 

 マズローの5段階欲求とは、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる有名な理論です。

「この会社を辞めたくない!」「出来るだけ長く働きたい」というのもいわば「欲求」ですので、これを職場に当てはめて、第1段階から順に完成させていくと社員が辞めない職場づくりが出来ていくという訳です。

 

 

マズローの5段階欲求

生理的欲求(生命を維持したい、食欲、睡眠欲など)

安全欲求(安全な環境にいたい、健康でいたい、経済的に安定していたい)

社会的欲求(他者と関わりたい、集団に属したい)

承認欲求(他者から存在価値を認めてもらいたい、尊重されたい)

自己実現欲求(自身の持つ能力・可能性を最大限に発揮したい)

 

 

これを職場づくりに当てはめると、このようになります。

 

①働く環境の整備(最低限の給与、安全な職場環境)

 生活していくのに最低限の給与がもらえているか、生命の危険のない職場環境になっているか。労災の発生リスクを極力抑えることが求められるでしょう。

 

②待遇の改善(適正な給与、健康を害さない職場環境、法令の遵守)

 自分の能力や成果に見合った給与がもらえているか。長時間労働やハラスメントなどで健康を害されることがないか。残業手当が適正に支払われているか。

 

 ここまでは、出来ていても当然のこととして喜びはなく、「出来ていなければ不満が出る」欲求だと言えるでしょう。

 ここから先の欲求をどれだけ満たしていけるかが辞めない職場づくりのポイントだと思います。

 

③社内コミュニケーション(社員同士のコミュニケーション促進)

 「他者と関わりたい」という欲求を満たすものです。「じゃあ飲みニケーション?」と思われるかもしれませんが、もっと簡単なことでも良いと思います。

 ある会社では、1日の最後に5分だけ「課単位のミーティング」を入れただけで離職率が減少したということがありました。

 社員はみな「話を聞いてほしい」「自分が考えていることを話したい」という気持ちがあるのですが、あえて上司に時間を取ってもらって話すというのは意外とハードルが高いものです。仕事の流れではなく、わざわざ「ミーティング」という時間を取ることで、「この機会に話してみよう!」と思えるものです。たった5分、いや1分でも良いので、あえて社員同士が話をする場を設けてみては如何でしょうか。ミーティングの時間を取ることで、仕事の時間は話をせず仕事に集中するという効果も生むことが出来ます。

 なお「飲みニケーション」も勿論良いと思います。プライベートまで飲み会に誘われるのは嫌がるのではないか…とよく言われてきましたが、今の20代の子は逆に連れて行って欲しいという傾向が戻ってきたというデータも出ていました。

 

④社員教育、能力開発(自分のために教育してくれている)

 社員を「育てる」ことに投資するということです。社員を育てて戦力にすることはもちろん会社の業績アップのためなのですが、その社員自身のためにもなるので、自分のためにこれだけお金や時間をかけて教育してくれるという「承認欲求」を満たすことになります。

 育てるというのはその社員のことをよく見ているということになりますし、面談を通じて褒めるところは褒め、改善するところはちゃんと言ってあげる。それを繰り返すことで「ちゃんと見てくれてるんだ」と思わせることになります。

 社員を育てるのは先輩や上司が重要な役割を果たしますが、任せっぱなしにしていてもいけません。中小企業の場合、会社として社長の思いを伝え社員の価値観を共通化するために、「定期的に研修」をし、「評価と面談」のサイクルを繰り返していく「仕組み」を作ることが育成の基本として重要なポイントとなります。

 

⑤目標設定、評価制度、キャリアプラン(能力を発揮して目標を達成したい)

 自分の能力が向上したら、将来の目標を達成したいという欲求になります。そのために「将来どうなりたいのか」「そのために今やることは何か」というキャリアプランを設計してあげると良いと思います。キャリアプランが自社の中で頑張っていけば達成出来ることがわかれば、もう会社を辞める理由など無いはずです。

 会社がやることは、1年に1回は「キャリア面談」をしてあげる。そこで人生のライフプランを作ってあげ、それを達成するために今会社の中で頑張ってもらうという道筋をつけてあげることでしょう。

 

 

 なおマズローの5段階欲求には更に「6番目」があり、5段階まで達成したら、人は「社会のために貢献したい」という「自己超越」欲求が出てくると言われています。

 実はこの「社会のために貢献したい」というのはよく使われている言葉で、例えば介護や保育のような現場で、「社会のためになる仕事をしてるんだから!」と言って自己犠牲を強いるということも聞きます。しかし一方でサービス残業や低賃金、将来のキャリアが見えない状態では、マズローの言うところの5段階目まで達成してない状態で6番目の欲求を掘り起こそうとすることになり、なかなかうまく機能しないのだと思います。

 

 中小企業には参考になる考え方だと思いますので、是非自社の職場に当てはめて確認してみてください。

 

 

 

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