政府の「働き方改革」により「ワークライフバランス」が再び脚光を浴びています。
 
 先日も「我が社にもワークライフバランスを取り入れた方が良いのか」というご相談を頂きましたが、話を聞いてみると何のために取り入れるのか経営者ご自身もはっきりしていなかったことがありました。

 

 何でもかんでもワークライフバランスが「善」という訳ではありません。

 

 ワークライフバランスといっても、まずその「目的」を明確にすることから始めなければなりません。
 
 社員が長時間残業で疲弊しているから…ということでしたら、それは労災事故防止、安全配慮義務を守るために事業主として当然の責務なので、ワークライフバランス以前の問題です。

 

 一般的に、「労働者として普通の健康状態で働ける標準的な労働時間」より労働時間を短くし、仕事以外のことをもっと生活に取り入れるようにするということが世間でよく言われているワークライフバランスの定義だと思います。
 「普通の健康状態で働ける標準的な労働時間」といっても人によって違うと思いますが、労基法で定められている「法定労働時間」だとすると、それより短くする、いわゆる「時短」というものがワークライフバランスだと言えるのだと思います。

 

 それが本当に必要なのかどうか、今一度考えてみて頂ければと思います。

 

 人は働くことによって成長し、人格を形成していく側面も大きいです。仕事は確かに辛くて大変なことも多く、楽しいばかりではないですが、だからこそ人として成長していける部分が大きいです。中にはやりたいことがやれて仕事が楽しいという人もいるでしょう。

 

 何の目的もなくワークライフバランスを入れても、こうした「仕事のやりがい」や「成長」を奪ってしまうことにならないでしょうか。

 

 私の尊敬するある社労士さんが、中学生を相手に講演をしたときに、中学生に「休みが法律どおりの会社と、もっと休みが多い会社ではどっちが良いですか?」と聞いてみたところ、休みが法律どおりの会社の方が良いと答えた子がほとんどだったと聞きました。小さい子の方が仕事に対しまだ憧れを持っているのかもしれません。大人に同じことを聞いたら逆の結果になってしまうのは何故でしょう。

 

 「休むことは良いことだ」が当たり前の世の中になり、「働くことは喜びだ」という考えが廃れてきているように思います。職業キャリアを積まないまま4050歳くらいになり、何らかの事情で会社の外に放り出されてしまったら、それこそその人を不幸にしてしまいます。

 

 ワークライフバランスを取り入れるにしても、仕事に役に立つような内容、例えば「自己啓発休暇」を付与してレポートを提出してもらうとか、自分なりに休暇の使い方を計画して報告してもらうなど、会社にとっても社員の将来にとっても有益なやり方を考えてみるのが良いかもしれません。

 

 

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