厚生労働省の政策審議会が29日、労働者派遣法を見直す最終報告をまとめました。見直し案の概要は以下のとおりです。
① 現在は秘書や通訳といった「専門26業務」のみ無期限の派遣受け入れを認め、それ以外の業務は最大3年しか認めていない。
→ 「専門26業務」といった区分はわかりにくいので廃止し、すべての業務が最大3年の受け入れとする。
② ①に関わらず、派遣先企業は、労働組合または過半数代表者の意見を聞けば、4年目以降も別の派遣労働者に代えることで派遣を受け入れられる。その後さらに3年が経過したときも同様。すなわちずっと派遣を受け入れ続けられるようになる。
③ 派遣元企業は、3年働いた派遣労働者の次の働き口を見つける義務を負う。
④ 派遣元企業で無期雇用される派遣労働者等であれば、同じ人をずっと受け入れても良い。
過半数労働者代表の意見聴取さえ行えば、3年毎に人は変われど、ずっと派遣労働者の受け入れを行うことができるという内容です。労働者代表との「協定」とかでなく、「意見聴取」のみなので(しかも業種を問わない)、事実上無制限の派遣受け入れ解禁といえる改正案となっています。これにより企業の戦力を社員から派遣労働者に切り替える動きが進むのではないかとの批判も出ています。