吉本興業がようやく、希望者のみといえ専属マネジメント契約書を結ぶ方向であるとのこと、良かったのではないかと思います。
今日は同じ話題でちょっと違う方向から書きたいと思いますが、吉本の芸人が松本人志さんとその下の世代とで対立してるみたいな報道がありましたよね。
松本さん→「会長が辞めるなら自分も辞める」。加藤浩次さん→「上層部が辞めないなら自分は辞める」(同調する若手もあり)。
これについて松本さんが「全然対立してない。若手には何でもいいから言ってきてって言ってるし」とワイドナショーで円満であることを強調していました。
ただ、「何でもいいから言ってきて」というのは、実際そう言ってるのでしょうが、だからと言って若手は何でも言えるのでしょうか? そもそも言う機会があるのでしょうか?
吉本興業を普通の会社に例えると、松本さんと若手芸人の関係は、先輩社員と後輩社員の関係にあたると思うんですね。先輩も先輩、大先輩です。何せ会長や社長とも通じあえる関係なのですから。
正直、本音は言えないと思うんです。存在が偉大すぎるし、言葉では表せない怖さというのは絶対にあります。
職場の上司と部下の関係で言えば、ものすごい営業力で会社の業績に大きく貢献してきたスーパー上司は、部下や後輩に対する接し方は、相当気を付けないと本人が知らない間に「怖さ」を出してしまっているんですね。
結論をいえば、「何でもいいから言ってきて」ではなくて、「何でも言える雰囲気を作る」のが上司の役割であり、今の若い人の力を引き出す方法なのだと思います。
穿った見方をすれば、「何でもいいから言ってきて」は、「自分は部下に優しい上司ですよ」と上に対してアピールするために言ってる言葉ともいえるんじゃないかと思います。
何日か前に「心理的安全性」というテーマで「言いたいことが言える、弱みを見せ合える職場」の話を書きましたが、松本さんの言葉を聞くと、少なくとも吉本はそういう職場ではないのだと思います。
若い人の「気質」というのも時代が変わると変わるもので、上司の人は自分たちがやってきたやり方が通用しなくなって大変だと思いますが、常に自分も「アップデート」していかないといけないですね。