北海道の最低賃金が、今年10月から861円になりそうです。861円というのは時給額です。月給者の場合は基本給をいくらにすれば良いのか、試算してみたいと思います。

 

月給者の最低賃金の計算方法は、①最低賃金の対象となる賃金を、②月平均所定労働時間で割ると定められています。

 

①対象となる賃金というのは、割と広く認められていて、基本給はもちろん、「臨時の賃金、賞与、通勤手当、精皆勤手当、家族手当、残業手当(休日手当、深夜手当)」を除く手当を含めることが出来ます。

一般的によく見られる職務手当とか、役職手当、資格手当、住宅手当なども入れることが出来ます。

いろいろ入れるとわかりにくいので、ここでは基本給だけとして試算します。

 

②月平均所定労働時間は、あくまでも「所定労働時間の平均」です。実際の労働時間の平均ではないので、法定労働時間を超えることはありません。

法定労働時間は週40時間です。1年間の週数は「365日÷7日」なので、「(365日÷7日)×40時間/12ヶ月」=173.8時間。これが最も長い「月平均所定労働時間」ということになります。

 

基本給を173.8時間で割って861円を超えていれば良い訳です。

基本給が15万だとすると、150,000円÷173.8時間=863円

ギリギリ超えました。

ギリギリですので、「所定労働時間を法定労働時間いっぱいで設定している会社は、月給15万円でギリギリセーフ」と考えれば良いと思います。

 

もっとも、これは法定労働時間いっぱいまで設定している会社の場合です。週休2日のほかに、祝日や年末年始・お盆休暇なども就業規則で定めている場合は、それらも平均労働時間の計算に考慮することが出来ます。

例えば、土日の休みが年104日あり、祝日が年16日、年末年始とお盆休暇が年8日あったとします。すると年間休日数は128日になるので、365日-128日=237日が年間労働日数です。

1日の所定労働時間が8時間なら、237日×8時間÷12ヶ月=158時間が月平均所定労働時間となります。

すると月給14万でもセーフとなります(140,000円÷158時間=886円)。

 

「正社員」であれば、大体14万~15万が最低ラインなんだなというイメージになります。

自社でギリギリっぽい従業員がいたら、最低賃金を超えているかどうか、このように計算してみてください。

仮に、週休2日以外の休日(祝日、年末年始、お盆)を就業規則などではっきり決めていない場合は、それらは所定休日とすることは出来ませんので、注意が必要です。

 

*最低賃金の対象となる賃金

https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-12.htm

*最低賃金額以上かどうかを確認する方法

https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-13.htm