中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は31日、2019年度の地域別最低賃金の改定について、全国平均の時給を27円引上げて901円とする目安をまとめました。
2002年に時給で示す現在の方式となって以降最大の引上げで、全国平均が900円台を突破するのは初めてです。東京都と神奈川は1,000円を超えました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47999990R30C19A7MM0000/
北海道は昨年の835円から26円引き上げられ、861円となる見込みです。
中央審議会が今日午後に厚労相に答申した後、目安を踏まえ各地の地方審議会が都道府県ごとに協議します。そのためまだ決定ではありませんが、過去の例を見るとほぼこの額で決まると思われます。
政府の2019年の「骨太の方針」で「より早期に全国平均1,000円を目指す」と書かれていました。この夏の参議院選挙では、各党こぞって1,000円以上の最低賃金を公約に掲げていたので、こうなる流れは予想されていました。
経営者の意向により近い自民党でさえこの方針なのは、大企業の業績が好調なのも要因にあると思います。
しかし職業柄中小企業と接する機会が多い私から見ると、中小企業の業績は上がっているとはいえず、ただ最低賃金だけ上げられるのは厳しいです。
今朝の新聞で、労働者団体の人のコメントで「中小企業は厳しいというが、大企業から中小企業への取引金額が大企業の言いなりにならないような仕組みを作ればよい」的なことを言っていましたが、そもそも大企業と取引してない中小企業だってたくさんあります。中小企業は大企業の下請けだけではないのです。
自民党は経営者の味方というよりも「大企業の味方」なのでしょう。
対して立憲民主党や共産党などの野党は「労働者の味方」。そう考えると「中小企業経営者の味方」となる政党が国政に存在しないことがわかります。
商工会議所など中小企業を会員に持つ経営者団体がもっと力があれば良いのですが…。