雇用調整助成金の上限引上げや支給要件の緩和などの特例につき、政府与党は当初予定の12月末からさらに延長させ、1月以降も継続する方針であると報道がされました。

そもそも雇用調整助成金をはじめとする雇用関係の助成金は、雇用保険料を財源としています。雇用保険料は従業員本人が失業したときにもらえる失業給付が有名ですが、それだけでなく企業が受け取れる各種助成金も含まれています(各種助成金に係る部分は企業負担のみ)。

何かあったときのために保険料を払っている訳ですから、こういう時に保険金が支払われるのはある意味当然のことだと思います。企業は堂々と利用して良いと思います。

一方で、それが本当に企業のためになってるのかも考えなければなりません。雇用調整助成金は対処療法に過ぎず、このコロナ禍がさらに2年も3年も続く場合にも続けていくのか。いわゆる出口戦略も同時に考えていかなければなりません。コロナ禍が過ぎた後、結局倒産・解雇となったらこの間の助成金は何だったんだということにもなりかねません。この状況の中でもあまり影響を受けていない企業もあります。そういう産業に移していった方が、経営者だけでなく従業員にとっても良いんじゃないかという議論もあります。

なお一時期は頻繁に雇用調整助成金の要件が変わり、現場は大混乱でしたが、それについてはやっと落ち着いてきました。終了する場合はまたちょこちょこ変えるのではなく、スパッと終わって欲しいというのが現場の願いではあります。