雇用調整助成金は現在、4月末までは今の特例措置が適用されることが決まっています。

このたび厚生労働省から、5月以降の雇用調整助成金についての方針が以下のように公表されました。

 

1.5月以降の雇用調整助成金の特例措置等について 
 雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金(以下「雇用調整助成金等」という。)、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(以下「休業支援金等」という。)については、先般(令和3年2月12日)公表した「新たな雇用・訓練パッケージ」を踏まえ、別紙のとおり、5月・6月の2か月間、原則的な措置を縮減するとともに、感染が拡大している地域・特に業況が厳しい企業について特例を設ける予定です。
 そのうえで、7月以降については、雇用情勢が大きく悪化しない限り、上記の原則的な措置及び感染が拡大している地域・特に業況が厳しい企業への特例措置をそれぞれ更に縮減する予定です。
 
2.雇用調整助成金等の雇用維持要件について 
 現在、一定の大企業及び全ての中小企業を対象として、解雇等を行わない場合の助成率を10/10としており、これらの企業の令和3年1月8日以降4月末までの休業等については、令和3年1月8日以降の解雇等の有無により、適用する助成率を判断しているところです。(※)
 (※)雇用維持要件が緩和されていない企業は、令和2年1月24日以降の解雇等の有無で適用する助成率を判断。
 5月・6月の休業等については、感染が拡大している地域・特に業況が厳しい企業に係る特例の対象となるものに対し、引き続き、令和3年1月8日以降の解雇等の有無により、適用する助成率を判断することとする予定です。
(上記に該当しない企業については、令和2年1月24日以降の解雇等の有無により、適用する助成率を判断。)

 

※別紙もこのように公表されています。

https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/000758405.pdf

 

現時点での政府としての方針を表明したものであり、施行にあたっては厚生労働省令の改正等が必要になるため、あくまで「予定」となりますが、臨時的に出血を止める対処療法から、産業の構造を転換させる方針に舵を切っていくと思われます。事業主として今後の動向を見ていく必要があります。

 

また、臨時休業等をした小学校等に通う子どもの世話を行う労働者に対し、給与を支払って休業させた事業主が申請できる「小学校休業等対応助成金」は、3月末で終了しますが、4月以降は「両立支援助成金 育児休業等支援コース 『新型コロナウイルス感染症対応特例』」という助成金が新設されます。

これは小学校等が臨時休業等になり、それに伴い子どもの世話が必要になった労働者が特別有給休暇を取れる制度と、勤務と両立出来る制度を就業規則等に設け、実際に特別有給休暇を4時間以上取得した労働者が出てきたら、1人につき5万円(上限50万円)支給されるというものです。

https://www.mhlw.go.jp/content/000754794.pdf

 

変異種の感染拡大などまだまだ予断を許さない状況が続いています。事業主は感染予防対策を継続しつつも助成制度を利用して経営の継続に努めてください。