妊娠を理由に女性職員を解雇した上で、国の是正勧告にも従わなかったとして、厚生労働省が茨城県牛久市のクリニックの「実名」を公表しました。

 

 実名を公表されたのは牛久市のクリニック「牛久皮膚科医院」(安良岡勇院長)。安良岡院長は2月、正職員の20代の看護助手が妊娠したと報告したところ、約2週間後に突然、「明日から来なくていい。妊婦はいらない」と退職を迫ったとのこと。
 労働局は男女雇用機会均等法に違反するとして口頭や文書で3回にわたって是正勧告したが、院長が解雇を撤回せず、7月には塩崎恭久厚労相名による初の勧告まで行ったが、「妊婦はいらない」「均等法を守るつもりはない」などと応じなかったそうです。
 

 「均等法を守るつもりはない」ここまで国にケンカを売ったらそりゃ公表されますよね。

 マタハラの実名公表第1号ということで特に大きく取り上げられました。

 ただ罰則は無いので行政が出来るのはここまで。この女性労働者が自分の地位を守るには、この後はあっせん・労働審判・民事訴訟などで解雇無効を求めていくしかありません。

 訴訟まで行けばいくら院長が抵抗しても、解雇無効になるのはほぼ確実です(妊娠を理由とした解雇だと院長も認めてますから)。

 現実的にはこういう小さな事業所で職場復帰しても居辛いでしょうから、最後は金銭解決といったところでしょうか。そう考えるとやっぱり、悲しいですね…。

 

 

札幌の社労士(社会保険労務士)のブログ


[top]

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。