労働者の相談事例

退職に関する労働相談・・・契約社員として働くCさん(男性)からの相談
 本社人事部から、会社の業績不振と本人の業務成績を理由に、今の契約で終わりにすると通告され、退職に同意するよう言われました。 私はいったん同意しましたが、後日店長D氏(男)から、「お前は転勤命令を拒否したからクビになったんだ」と言われました。 親の介護のため転勤は出来ないことは前から話して了承してもらえていたのに、今更それを理由に退職になるのは納得出来ません。

「街の労働相談所」からのアドバイスと対応

 Cさんは1年契約を4回更新してきており、現在入社5年目でした。 契約書には更新について「更新することがある」と記載されており、何も無ければまた更新してもらえるだろうと期待するには十分でした。

 それでもCさんは一度は退職することに同意しました。 しかし後で店長から、雇止めの本当の理由を聞いてしまい、そんな理由なら退職に同意していなかった。 会社に対する不信感が募り、このまますんなり退職したくないと思うようになったわけです。

 この件は店長本人および、店長にそのような発言を許した会社に非があることは明らかです。 Cさんは「会社の業績不振と個人の業務成績」が理由だから退職に同意したのであり、「転勤を拒否したこと」が理由なら同意していませんでした。 よってCさんの意思表示は誤った認識に基づくものなので、撤回することが出来ますよと助言しました。

 しかしCさんは、こんな会社にはもう戻りたくないというのが本心でした。でもこのまま引き下がるのはあまりにも悔しい。自分でもどうしたら良いかわからないというものでした。 そこで私は、Cさんと一緒に、今のCさんの気持ちと、店長と会社に非があることを法的な表現を使いながら文書にまとめ、本社人事部長宛てに送りました。

労働相談を受けたその後・・・会社から謝罪を受け、1年の契約更新を提案される
 人事部長から、会社(店長)の対応に非があったことを認め謝罪がありました。 また、契約をあと1回更新することと、最後の契約についてはCさんも通える近隣店舗で働くことを提案されました。 Cさんは本来なら2か月後に退社しなければならなかったところを、もう1年働くことができ、十分な就職活動の時間が取れること、 また日頃からパワハラまがいの行為をされていた店長と離れられることに大変喜びました。

 「戻りたい訳ではない。自分でもどうしていいのかわからない」ということはあると思います。 それでも勇気を出して声を上げたことにより、満足いく解決策を会社から提示してもらえました。 もしCさんが感情的になっていたらここまで上手くいっていなかったかもしれません。 相手も人間です。冷静に文書にまとめて送ったからこそ、会社からも冷静で現実的な回答が得られたのだと思います。

他の相談事例を見る
街の労働相談所トップページに戻る
Copyright© 2009-2011 matinoroudousoudanjo sapporo All Rights Reserved.