この度の北海道胆振東部地震とそれに伴う停電では、皆さん様々なことを考えさせられたと思います。

 今回、私が個人的にもっとも痛感したのは「バランス」の大切さです。

 

 先月、とあるIT系クラウドソフト会社のセミナーに行ったときに、「みなさん、まだ現金持ってるんですか? うちの会社で現金持ってる人はほとんどいませんよ?」と講師の方に言われました。

 そのような方は今回の停電で、電子マネーが使えず、クレジットカードも使えず、現金を下ろそうにもATMも使えずで大変な思いをしたと思います。

 当初の予想どおり1週間停電が続いたらどうするつもりだったのでしょうか。

 もちろんこれからはキャッシュレスの時代になるでしょう。しかし現金を一切持たなくて良いことはありません。現金を最低限持った上で、電子マネーを使えば良いのです。何でも極端に振れるのは良くありません。

 

 そもそも道内全域という大規模停電になったのも、厚真の発電所1箇所に頼り切っている構造が招いたものだと報道で聞きました。

 

 例えば会社のデータ保管でも、「ペーパーレス化」を進めるため紙を一切持たず、全てのデータをPC上またはクラウド上でのみ保管するという所が出てきています。

 こうしたところは、停電になれば全てのデータが使えなくなります(消失の危険性もあります)。

 データで保管しておくのは便利なのでそれを基本としつつ、紙でも最低限持っておいた方が良いと思います。それがリスク管理です。

 「どっちか一方はゼロにしてしまおう」と極端に振れてしまうのは危機管理としてはよろしくないと思います。

 

 何でも極端には振れず、「リスクは分散する」、「バランスを取る」。そのことに注意しておかなければならないと、改めて痛感しました。