「老後に2000万円の貯蓄が必要」という衝撃的な報告が尾を引いていますね。確かに「年金で100年安心」と言っておきながら「自力で2000万なんとかしてくれ」というのは矛盾してますし、そもそも国民の生命と財産を守るのが国家の役割なのですから、政治家と役人は諦めずに何とかしようとして頂きたいものです。

 

先日は在職老齢年金の廃止を検討という報道もありましたし、定年の70歳への引上げも含め、高齢者を労働力市場になんとか引っ張り込もうという政府の意図がよく出ています。

 

老齢年金といえば、しばしば誤解されていることがあります。

 

これから60歳になろうという方、もしくは60歳~64歳の間くらいの方に、「年金の案内が来たんだけど、繰下げをしたいから、手続しない方がいいよね?」と言われることがよくあります。

実は老齢年金には2種類あります。「60歳台前半の老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)」と、「65歳以降の老齢年金(本当の年金)」です。

老齢年金は、かつては60歳から支給されていたのですが、大改正により65歳支給に法改正されました。

しかしすぐに65歳支給にすると大パニックになるので、60歳台前半の年金は暫定的な年金と位置づけ、段階を踏んで徐々に減らしていこうということになったのです。

よって法律的には、「60歳台前半の老齢厚生年金」と「65歳以降の老齢年金」は全く別物で、「60歳台前半の老齢厚生年金」は暫定的に残っているだけのものなのです。

(60歳台前半の方にだけ「老齢厚生年金」と「厚生」を付けているのは、既に60歳台前半の年金には基礎年金は無いからです)

 

そしてここからが重要なのですが、暫定的に残っている「60歳台前半の老齢厚生年金」は、繰下げという制度がありません。

繰下げれば後から多くもらえるということはありません。

(日本年金機構の該当説明ページはこちら)

https://www.nenkin.go.jp/faq/jukyu/seidokaisei/kurisage/20140421-03.html

請求しなければ、ただただ損をするだけなのです。

働いているために年金が全額不支給になっているならともかく、一部でも出るなら、手続してもらっておいた方が絶対に良いです。

繰下げは、65歳以降の本当の年金に対してすれば良いのです。

 

働いている方で、年金が全額不支給になるか一部不支給になるかよくわからない方は、とりあえず請求手続だけしておけば、支給・不支給は日本年金機構で自動的にやってくれます。

65歳以降の本当の年金で繰下げしたいという場合、65歳近くになったら手続の案内ハガキが来ますので、来てから検討することが出来ます。

 

せっかく保険料を払ってきたのですから、制度を知らないために貰い逃したなんてことが無いようにしてください。

Scroll Up